遺言能力について

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遺言能力

遺言能力とは、自分の遺言の内容を理解し、遺言の結果を認識できるだけの判断能力のことを言います。民法では、次2つの条件をどちらも満たしていなければ遺言はできません。

➀15歳に達した者(第961条)
②遺言をする時にその能力がある者(第963条)

15歳に達しているかは、その人の年齢がわかれば簡単に判断がつきますが、多くの場合、問題になるのは「遺言能力があるかどうか」です。例えば、認知症を患っている高齢者は、遺言した時点でどれくらいの判断能力があり、また、自分の意思で遺言したのかという点を、のちに争われる可能性があります。

2025年には65歳以上の認知症患者数が約700万人に増加

65歳以上の高齢者の認知症患者数と有病率の将来推計についてみると、2012年は認知症患者が7人に1人でしたが、2025年には約700万人、65歳以上の5人に1人になると見込まれています。「遺言能力があるかどうか」が問題になる件数も今後さらに増えていくことが容易に想像できます。

【出典】内閣府:平成28年版高齢社会白書(概要版)図1-2-12:65歳以上の認知症患者数と有病率の将来推計

争われる遺言書

ではなぜ、遺言者の遺言能力が相続のときに問題になるのでしょうか?

それは、遺言書がすべての相続人のためになるとは限らないからです。遺言書を作成するということは、法定相続とは異なる相続分を定めたり、遺産分割方法を指定したり、相続人ではない者へ遺贈するということになるためです。

つまり、相続人によっては、遺言があることは希望を反映されているとは限らず、無効であって欲しいと考えるかもしれません。ちなみに、自筆証書遺言でなされる検認手続きは、有効無効を確認するのではありません。遺言書を作成した時に遺言能力があったかどうかを、ほかの相続人と争うこともあります。

専門家から推奨されている公正証書遺言であっても、形式的な不備は回避できますが、公証人が遺言者と話す内容は遺言についてであり、作成に立ち会う証人(2人)に至っては遺言者と話をすることもありません。その中で遺言能力の有無を、全て正確に判断することは不可能と言えるでしょう。

裁判所は、遺言能力の有無に関して、遺言作成時点での遺言者の言動、遺言内容に不審な点はないか、遺言作成の経緯や作成現場の状況などあらゆる事情を考慮して判断していきます。最も望ましいのは、元気なうちに遺言を作成することです。お元気なうちから遺言作成を検討されてはいかがでしょうか?

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